WordPressのACFとは?使い方と活用例を初心者向けに解説

WordPressでWebサイトを運営していると、「決まった場所だけ簡単に更新したい」「毎回レイアウトを崩さないか心配」「価格や住所などの情報をもっと入力しやすくしたい」と感じることがあります。
そんなときに便利なのが、WordPressのプラグイン「Advanced Custom Fields」、通称ACFです。
ACFを利用すると、「価格」「住所」「電話番号」「画像」「公開状況」といった専用の入力欄をWordPressの管理画面に追加できます。
通常の記事編集よりも入力する内容が分かりやすくなるため、不動産情報、施工事例、商品情報、スタッフ紹介など、同じ形式の情報を継続して登録するWebサイトと特に相性のよい仕組みです。
ACFとは何か、カスタムフィールドとの違い、基本的な使い方から実際の活用例まで、WordPressに詳しくない方にも分かるように解説します。
ACFとは?WordPressの更新画面を使いやすくするプラグイン
ACFは「Advanced Custom Fields」の略で、WordPressに独自の入力項目を追加できるプラグインです。
WordPressにはもともと「カスタムフィールド」という仕組みがあり、投稿ごとに追加情報を保存できます。WordPress公式ドキュメントでは、こうした追加情報はメタデータとしてキーと値の組み合わせで保存される仕組みとして説明されています。
ACFは、そのカスタムフィールドをより分かりやすく作成・管理できるようにするためのプラグインです。
例えば、不動産会社のWebサイトで物件情報を登録するとします。
通常の文章入力だけで管理しようとすると、
- 物件価格
- 所在地
- 土地面積
- 間取り
- 築年数
- 最寄り駅
- 物件画像
などを毎回文章として入力しなければなりません。
ACFを使えば、それぞれを専用の入力欄として用意できます。
管理画面に「物件価格」「所在地」「土地面積」と表示されていれば、担当者は決められた欄へ情報を入力するだけです。
Webサイトの更新に慣れていない方でも、入力場所を判断しやすくなります。
WordPressのカスタムフィールドとACFの違い
WordPressには標準でもカスタムフィールド機能があります。
ただし、標準機能だけで複数の項目を管理しようとすると、項目名や入力ルールが分かりづらくなることがあります。
ACFを導入すると、例えば次のような入力欄を管理画面上に用意できます。
- テキスト入力
- 数値入力
- URL
- メールアドレス
- 画像
- ファイル
- チェックボックス
- ラジオボタン
- セレクトボックス
- 日付
- 真偽値
- 関連記事や投稿の選択
ACF公式でも、無料版で30種類以上のフィールドタイプを利用できると案内されています。
そのため、単純な文章だけでなく、Webサイトで扱うさまざまな情報を「決められた形式」で入力できるようになります。
ACFを使うメリット
ACFはWeb制作者向けの便利なプラグインというだけではありません。
実際にWebサイトを更新する企業や店舗にとっても大きなメリットがあります。
更新する場所が分かりやすくなる
ACFを利用する大きなメリットは、WordPressの更新画面を業務に合わせて作れることです。
例えば施工事例なら、
- 施工前画像
- 施工後画像
- 工事内容
- 工事期間
- 地域
- 費用
といった入力欄を用意できます。
担当者はそれぞれの欄に情報を入力するだけなので、「どこに何を書けばいいのか分からない」という問題を減らせます。
デザインを崩しにくい
通常のブロックエディターで毎回レイアウトまで編集する場合、余白や文字サイズ、画像位置などを誤って変更してしまうことがあります。
ACFでは「入力する情報」と「Webサイト上のデザイン」を分けて設計できます。
投稿者は情報を入力するだけで、表示側ではあらかじめ作られたデザインへ自動的に反映させることが可能です。
更新担当者がHTMLやCSSを触る必要もありません。
Webサイト全体の情報を統一しやすい
複数の担当者が更新するWebサイトでは、人によって入力方法が変わってしまうことがあります。
例えば価格について、
「1,500万円」
「1500万円」
「¥15,000,000」
のように表記がバラバラになるケースがあります。
入力方法や表示方法をあらかじめ設計しておけば、Webサイト内の情報を統一しやすくなります。
特に物件情報、求人情報、商品情報など、投稿数が増えていくサイトでは大きなメリットです。
ACFはどんなWebサイトに向いている?
ACFは、同じ種類の情報を繰り返し登録するWebサイトに適しています。
不動産サイト
不動産サイトではACFとの相性が非常によく、
- 価格
- 所在地
- 土地面積
- 建物面積
- 間取り
- 築年月
- 駐車場
- 物件ステータス
- 物件画像
などを個別の入力項目として管理できます。
「販売中」「商談中」「契約済み」などのステータスを選択形式にすれば、入力ミスも減らせます。
建設会社・リフォーム会社の施工事例
施工事例では、
- 施工地域
- 工事内容
- 工事期間
- 施工前画像
- 施工後画像
- お客様の要望
などを登録できます。
毎回同じレイアウトで施工事例を掲載できるため、サイト全体にも統一感が生まれます。
スタッフ紹介
スタッフ紹介なら、
- 氏名
- 役職
- プロフィール写真
- 保有資格
- 得意分野
- コメント
などを登録できます。
スタッフが増えたときも、同じ入力画面から追加できます。
商品・サービス紹介
商品やサービス情報についても、
- 商品名
- 価格
- 商品画像
- 商品番号
- 特徴
- 販売状況
などを管理できます。
同じレイアウトの商品ページを複数作成する場合にも便利です。
ACFの基本的な使い方
ACFを使ったWebサイト制作では、大きく分けて「入力欄を作る作業」と「入力した内容を表示する作業」があります。
1.ACFをインストールする
WordPress管理画面から、
「プラグイン」→「新規プラグインを追加」
へ進み、「Advanced Custom Fields」と検索してインストールします。
インストール後に有効化すると、ACFの設定を行えるようになります。
2.フィールドグループを作成する
次に「フィールドグループ」を作成します。
フィールドグループとは、複数の入力項目をまとめたものです。
例えば「物件情報」というフィールドグループを作成し、その中に、
- 物件価格
- 所在地
- 面積
- 間取り
- 築年数
といったフィールドを作成します。
ACFではフィールドグループを使って入力項目を整理し、投稿や固定ページなど、どの編集画面へ表示するかを設定できます。
3.フィールドラベルとフィールド名を設定する
ACFでは、それぞれの項目に「フィールドラベル」と「フィールド名」を設定します。
例えば、
フィールドラベル:物件価格
フィールド名:property_price
といった形です。
フィールドラベルはWordPress管理画面で人が見る名称です。
一方、フィールド名はプログラム側からその情報を呼び出すために使用します。
そのため、フィールド名は後から頻繁に変更せず、最初に分かりやすい命名ルールを決めておくことが大切です。
4.表示条件を設定する
ACFでは「この入力欄をどこに表示するか」を設定できます。
例えば、
「投稿タイプが物件の場合」
という条件を設定すると、物件を登録するときだけ専用の入力欄を表示できます。
通常のお知らせ投稿には表示させない、といった使い分けが可能です。
5.入力した情報をWebサイトに表示する
ここは初心者の方が特に勘違いしやすいポイントです。
ACFで入力欄を作っただけでは、基本的にWebサイト上へ自動表示されるわけではありません。
テーマやテンプレート側で「どの情報をどこへ表示するか」を設定する必要があります。
PHPを使う場合は、例えば次のようにACFの値を取得します。
<?php
$price = get_field( 'property_price' );
if ( $price ) {
echo esc_html( $price );
}
?>
この例では「property_price」というフィールドに入力された内容を取得して表示しています。
実際の制作では、テーマやサイト構成によって実装方法が異なります。
「ACFを設定したのに画面に表示されない」という場合は、表示側の実装が行われているか確認してみましょう。
ACF無料版とACF PROの違い
通常のWebサイトであれば、まずは無料版でも多くのことができます。
テキスト、画像、選択項目、日付など、一般的なカスタムフィールドを作成するだけなら無料版で対応できるケースも少なくありません。
一方、より複雑な更新画面を作りたい場合には「ACF PRO」という有料版があります。
ACF PROには、繰り返し入力できるRepeater、複数画像を扱いやすいGallery、Flexible Content、Options Pages、ACF Blocksなどの機能が用意されています。
例えばスタッフ情報を何人でも追加したい場合、Repeaterフィールドを利用すると、同じ入力項目のセットを必要な数だけ追加できます。RepeaterはACF PROで提供されている機能です。
ただし、すべてのWebサイトにPRO版が必要というわけではありません。
必要な情報量や更新方法を確認してから選ぶことが大切です。
ACFを導入するときの注意点
ACFは便利なプラグインですが、導入すれば自動的に使いやすいWebサイトになるわけではありません。
設計段階でいくつか注意したいポイントがあります。
入力項目を増やしすぎない
管理できる情報が増えるからといって、必要以上にフィールドを作ると、かえって更新画面が使いづらくなります。
実際に更新する担当者が、
「どの情報を入力するのか」
「どのくらいの頻度で更新するのか」
を考えたうえで項目を決めることが重要です。
フィールド名は慎重に決める
フィールド名はテンプレートのコードなどから参照されます。
Webサイト公開後に不用意に変更すると、これまで表示されていた情報が取得できなくなる可能性があります。
日本語のラベルとは別に、英数字を使った分かりやすいフィールド名を最初に設計しておくと管理しやすくなります。
アップデート前にはバックアップを取る
ACFに限らず、WordPress本体・テーマ・プラグインを更新する際は、事前にバックアップを取っておくことをおすすめします。
特にカスタムテンプレートや独自コードを多く使用しているWebサイトでは、更新後の表示確認も重要です。
更新担当者を想定して設計する
制作側にとって便利な構成と、実際に更新する担当者にとって使いやすい構成は必ずしも同じではありません。
例えばフィールドラベルを、
「property_status」
と表示するより、
「現在の物件状況」
としたほうが更新担当者には分かりやすくなります。
必要に応じて説明文や入力例を付けることも、運用ミスを防ぐ方法の一つです。
ACFについてよくある質問
ACFは無料で使えますか?
はい。ACFには無料版があり、一般的なテキスト・画像・選択項目など多くのフィールドを利用できます。
RepeaterやGallery、Flexible Contentなど一部の高度な機能を利用する場合はACF PROが必要です。
まず必要な機能を整理してから無料版とPRO版を選ぶとよいでしょう。
ACFを使えばコードを書かずにWebサイトを作れますか?
ACFでは入力画面を比較的簡単に作れますが、入力されたデータをWebサイト上にどのように表示するかについては、テーマのカスタマイズやPHPなどの知識が必要になる場合があります。
そのため、ACFそのものは「完全なノーコード制作ツール」というより、WordPressの情報管理を柔軟にするための仕組みと考えると分かりやすいでしょう。
SWELLなどのWordPressテーマでも使えますか?
ACFは特定のテーマ専用のプラグインではないため、さまざまなWordPressテーマと組み合わせて利用できます。
ただし、入力したACFの値を希望するレイアウトで表示する場合は、子テーマやテンプレートファイルのカスタマイズが必要になることがあります。
テーマ本体を直接編集するとアップデート時に変更内容が失われる可能性があるため、独自コードを追加する場合は子テーマを利用するなど、安全な方法で実装することが大切です。
ACFを使うとSEOに強くなりますか?
ACFを導入しただけで検索順位が上がるわけではありません。
ただし、物件情報や施工事例などを整理して継続的に掲載しやすくなることで、Webサイトの情報を充実させやすくなるメリットがあります。
SEOではACFそのものよりも、検索ユーザーに役立つ内容を掲載できているか、ページ構成やタイトル、内部リンクなどが適切かといった要素を総合的に考える必要があります。
ACFはどんなWebサイトでも導入したほうがよいですか?
必ずしも必要ではありません。
会社案内など数ページだけで、ほとんど更新しないWebサイトであれば、通常のブロックエディターだけで十分な場合もあります。
一方で、不動産情報、施工事例、求人、商品、スタッフ情報などを継続して追加するWebサイトでは、ACFを導入することで運用しやすくなる可能性があります。
重要なのは「ACFを使うこと」ではなく、「誰がどのようにWebサイトを更新するのか」に合わせて仕組みを選ぶことです。
まとめ
ACFは、WordPressに独自の入力項目を追加し、Webサイトの情報を管理しやすくするプラグインです。
価格・住所・画像・日付・ステータスなどを専用の入力欄として用意できるため、不動産情報、施工事例、スタッフ紹介、商品情報など、決まった形式の情報を継続的に更新するWebサイトで特に役立ちます。
ACFを上手に活用すれば、更新担当者がHTMLやレイアウトを意識せず、必要な情報だけを入力できる管理画面を作ることも可能です。
一方で、入力項目の設計やWebサイト側への表示には、WordPressやテーマカスタマイズの知識が必要になる場合があります。
Webサイトを制作するときは、見た目だけでなく「公開後に誰が、どのように更新するのか」まで考えて設計することが大切です。
更新しやすい仕組みを最初から用意しておけば、Webサイトを公開したあとも施工事例や商品、物件、お知らせなどの情報を継続的に発信しやすくなります。
WordPressサイトの制作やリニューアルを検討する際は、デザインだけでなく、こうした更新・運用のしやすさについても確認してみてください。
